商用CMSの種類と選び方。メリット・デメリットや注意点についても徹底解説

サイト運営を効率化するCMSの中で、今回は商用CMSについて紹介します。商用CMS CMSはオープンソースと異なり大規模サイト向きであることや、サポート付きなどの特徴があります。今回は商用CMSのメリット・デメリット、導入時の選び方や導入する際の注意点を解説します。

CMSはサイト運営の効率を見直すことができるシステムですが、CMSには商用 (有料) とオープンソース (無料) がありどちらにもメリット・デメリットがありますそのためサイトの内容や規模によっては選び方を間違えてしまうと損する可能性もあるでしょう。

そこで今回は有料である商用CMSを中心にメリット・デメリットや種類導入するときの選び方について詳しく解説します。また導入時の注意点についても解説しますので参考にしてください。

商用CMS (パッケージ型CMS) とは

商用CMSとはメーカーが独自に開発したCMSをライセンスを購入して、自社サーバーにインストールするタイプのCMSのことです。オープンソースが無料であることに対して、商用CMSは有料となりますが、「サポート付き」「大規模サイトに対応」などオープンソースでは難しいことにも対応しています。

商用CMSのメリット

安心感

商用CMSは有料なので、サポートを受けられます。

サポート例

  • 電話対応
  • メール問合せ

オープンソースは無料なので、設定や作成方法については自分で調べなければなりません。しかし商用CMSは有料で導入しているためわからないことはメーカーに確認できます。ただサポートの料金に関してはメーカーによって違うので注意しましょう。

管理・運営支援が充実

商用CMSはメーカーが管理を行うため、不具合やトラブルがあったときには対応してもらえます。オープンソースは自分でインストールするためすべて自己責任となりますが商用CMSではメーカーの責任として解決してくれるので、管理や運用で困ることが少ないと言えるでしょう。

企業利用前提のものが多い

商用CMSはセキュリティや機能など不特定多数の人が訪れても問題なく運用できる水準で設定しています。オープンソースは個人向けなことが多いので、セキュリティ面に不安が残りますが、商用CMSであれば安心して利用できるでしょう。ただし個人で扱うには少々持て余す可能性もあるとも言えます。

商用CMSのデメリット

コスト

商用CMSのデメリットは大きな費用が掛かることです。商用CMSには売り切りの (パッケージ型) やランニングコストを必要とするクラウド型などメーカーの販売スタイルによって種類がありますが、どちらにしても費用が掛かるので覚えておきましょう。

機能や規模によって料金が異なる

商用CMSは作成したいサイトによって大きく金額が変わりますし、後から機能を追加をする場合にも料金が発生する可能性があります。またオープンソースのCMSであれば大体の機能は後から追加できますが商用CMSでは機能によっては追加できない可能性もあるので注意しましょう。

商用CMSの種類

パッケージ

パッケージ型の商用CMSは売り切りです。
パッケージ型の特徴

  • 初期費用のみで利用可能
  • 料金が高い

パッケージ型はCMSライセンスと導入の料金が掛かるので初期費用は高いですが、購入後の運用は無料で行えます。

*サポート料金が発生する可能性があるので注意しましょう。

クラウド

クラウド型の商用CMSは月額料金が掛かります。
クラウド型の特徴

  • 利用中は月額料金が掛かる
  • 料金が安い

クラウド型は利用を続ける限り料金が発生しますが、初期費用を抑えられます

商用CMS (パッケージ型CMS)の導入方法

商用CMSの導入方法をパッケージ型とクラウド型で違います。
パッケージ型の導入方法

  1. 1使用するサーバーを決める
  2. 2 独自ドメイン (URL) を取得
  3. 3 パッケージ型のソフトを購入
  4. 4 ソフトをインストール
  5. 5 インストール後に設定をして利用開始

ソフトをインストールするときは、サーバーやソフトによってやり方が変わります。使用するCMSが決まっている場合は、事前に導入方法を確認しておきましょう。またインストール後の設定は「ドメイン・ID・パスワード」などを個別に設定します。IDやパスワードを忘れてしまうとログインできなくなるので、慎重に設定しましょう。

クラウド型に関しては「ユーザー登録のみ」で使用できるので、導入に関してはクラウド型のほうが簡単です。

商用CMSを選ぶ前にすること

商用CMSを選ぶ前に「現在困っていること」「商用CMSで何をするか」を明確にしましょう。それらを整理すれば、どの商用CMSを選べば良いのかが分かります。
 (例) 

  • SEO対策が弱い → SEOを強化したい
  • 更新に時間を掛けている → 簡単に更新できるようにしたい
  • サイトへのアクセスが少ない → アクセスと売上をあげたい

商用CMSといっても万能ではありません。そのため自社のサイトに何が必要なのかを明確にした上で足りないことを強化できる商用CMSを選択しましょう。

CMS選定基準とポイント

webサイトの種類と企業の大きさ

webサイトには複数の種類があるので、どのようなサイトを作るのかを決めてからCMSを選択する必要があります。
webサイトの種類 (一部) 

  • コーポレートサイト
  • ECサイト
  • LP (ランディングページ)
  • プロモーションサイト

他にも教育機関や自治体向けなどがあります。また企業の大きさによってどの程度のセキュリティや承認システムが必要なのかが変わるので、CMSを選定するときにはwebサイトの種類と企業の大きさを加味した上で決めましょう、

webサイトの規模と環境

webサイトの規模を考えるときは「ページ数」「アクセス数」などを基準にしましょう。また現状だけではなくどのような大きさにする予定なのかを加味するとCMSを選択しやすくなります

サイトの規模が分かればパッケージ型なのかクラウド型なのかという構築環境もイメージできるので、まずはサイトの規模を決めたあとに見合った環境を選びましょう。

htmlの作成方法

CMSには「動的CMS」「静的CMS」の2種類があり、htmlの処理方法が違います。
動的CMSの特徴

  • 更新しやすい
  • 検索機能をカスタマイズしやすい
  • サーバーに負荷が掛かる
  • セキュリティが弱い

静的CMSの特徴

  • 更新しにくい
  • HTMLの知識が必要
  • 表示速度が速い
  • セキュリティが強固

それぞれにメリットデメリットがあるので、確認した上でCMSを選ぶ必要があります。

セキュリティ

セキュリティを強化したいときは「静的CMS」、多少の弱さがあっても問題ないときは「動的CMS」にしましょう。表現として動的CMSはセキュリティが弱いと伝えていますがダメというわけなく静的CMSと比較して弱いというだけなので、大切な情報を管理できないわけではありません。

サポート

ある程度技術がある人がいればサポートは不要かもしれませんが、「技術に自信がない」「解決する時間を削減したい」などのときはサポート付きの商用CMSにしましょう。ただ購入代金に含まれている場合と含まれていない場合の2種類があるので、サポートについては導入時に確認しておきましょう。

ワークフロー

ワークフロー (承認システム) は記事を公開するまえの確認作業に役立ちます。特に複数でサイトの管理をするときは誰でも公開できる状態ではなくそれぞれに権限を与えて「記事を書く人」「公開できる人」に分けることでミスなく記事を公開できます。

「外部に記事を依頼する予定」「公共機関だからミスなく作業したい」などサイト運営の内容に合わせて必要なる機能と言えます。

編集のしやすさ

CMSによって編集のしやすいが違います。動的CMSはプログラミングの知識不要で編集可能ですが静的CMSはある程度プログラミングの知識がないと編集できません。そのため自社内に技術者がいるかいないかでCMSを選ぶ必要があります。

また作成する人が使いやすいかどうかも大切なので、実際にwebサイトを運用する人と相談することをおすすめします。

費用感

CMS導入時は「CMSの購入費用」「運用費用」など多くの資金を必要としますが、予算内に収めるではなく「予算=作りたいサイト」で考えましょう理由としては予算を削りサイトの規模を無視したCMSにした場合結果としてCMSが機能しなくなる可能性があるからです。
(例)

  • 表示速度が遅くなる
  • サーバーにアクセス制限を掛けられて閲覧不可となる
  • 編集が難しく記事の更新に時間が掛かる

これらの状態になると新たにCMSを導入することになり余計に費用が掛かるので、作りたいサイトによって費用は決めましょう。また予算は少し余裕を持って決めることをおすすめします。

商用 (パッケージ型) CMSの特徴一覧

SITE PUBLIS


SITE PUBLISの導入に掛かる費用

  • 初期費用:200,000円~
  • 月額料金:100,000円~
  • クラウド型:オンプレミス型

SITE PUBLISは国産の動的CMSで簡単に操作できるのが特徴です。また自社で準備できないときはクラウド型自社の環境で使いたい時はオンプレミス型 (パッケージ型に近い) と会社事情に合わせてプランを選ぶことが可能です。サポート体制やセキュリティにも長けているので安心して利用できるでしょう。

SITE PUBLISの公式ホームページ

Movable Type


Movable Typeの導入に掛かる費用

  • クラウド型:月額5,000円
  • ライセンス型:90,000円~
  • 年間メンテナンス:30,000円

Movable Typeは「承認システム」「ファイル管理」などのプラグインが豊富なので、サイト作成に合わせて機能を追加できます。動的CMSなので専門的な知識がなくても管理できますし複数のプランが用意されているので、予算と作成したいサイトを上手に合わせられます。

Movable Typeの公式ホームページ

ShareWith


ShareWithの導入に掛かる費用

  • 初期費用:750,000~
  • 月額料金:100,000~
  • クラウド型

ShareWithは導入時にサイトの設計や提案も行ってくれるためイメージを伝えるだけでサイト作成ができます。また導入後は更新しやすい動的CMSを採用。サイバー攻撃にも対応したセキュリティシステムを提供しているので、安心して利用できるでしょう。

ShareWithの公式ホームページ

HeartCore


HeartCoreの導入に掛かる費用

  • パッケージ型:問合せ

HeartCoreはアクセスログ統計機能によりアクセス数を様々な角度から確認できるためマーケティングに特化した動的CMSと言えます。またソーシャルメディアとの連携も可能。独自関数が設定されてるので、サイト作成に掛かる時間を削減できるでしょう。

HeartCoreの公式ホームページ

NOREN


NORENの導入に掛かる費用

  • ライセンス型:1,000万円~

NORENは最低でも1000ページ以下を基準とした大規模サイト向けの商用CMSです。静的CMSをベースに動的要素を組み合わせてるため、リアルタイムでのサイト管理が可能。また「アンケートの結果によって商品を並び替える」「ユーザーごとにカテゴリを変更する」などデジタルマーケティングにも長けているCMSと言えるでしょう。

NORENの公式ホームぺージ

EC-CUBE


EC-CUBEの導入に掛かる費用

  • 初期費用:無料
  • 月額料金:7,800円~
  • クラウド型

*オープンソース型は無料

EC-CUBEはテンプレートが豊富な動的CMSです。有料ですがプラグインの種類も多いので自社サイトに必要な機能を追加することも可能。ショップ運営に適しているCMSで、クラウド型を利用すれば設定に使う時間を運営に回すこともできます。規模が大きくなったときにはオープンソース型への移行も簡単に行えるので、柔軟性のあるCMSと言えるでしょう。

EC-CUBEの公式ホームページ

Blue Monkey


Blue Monkeyの導入に掛かる費用

  • 初期費用:問合せ
  • 月額料金:30,000円~

Blue Monkeyはwebマーケティングに関わることをすべて依頼できるCMSです。知識がなくてもコンテンツマーケティングを実施できるので自社の商品を売り出したい会社に適しているでしょう。また静的と動的の良い部分だけを組み合わせたシステムなので、自身でサイト作成を行うときも難しい操作をする必要はありません。

Blue Monkeyの公式ホームページ

はてなブログMedia


はてなブログMediaの導入に掛かる費用

  • 初期費用:問合せ
  • 月額料金:問合せ
  • パッケージ型

はてなブログMediaはサーバー管理やセキュリティに関してすべて請け負っている動的CMSです。テンプレートが豊富なのでデザインを自由に選択できますしSEOについても最適化されてるため集客にも役立つでしょう。コンテンツ作成時にはてなの編集者から提案や支援してもらえるので、オウンドメディアの作成を考えている会社におすすめです。

はてなブログMediaの公式ホームページ

A-BISU


A-BISUの導入に掛かる費用

  • 初期費用:問合せ
  • 月額料金:問合せ

A-BISUは人工知能を搭載したCMSで「コンテンツ解析」「アクセス解析」などの機能があるためコンテンツマーケティングを行いたい会社に適しています。動的CMSなため編集も簡単に行えますし、ワークフロー機能があるので、複数人でサイト管理を行うことも可能です。

A-BISUの公式ホームページ

Okra<


Okraの導入に掛かる費用

  • 初期費用:問合せ
  • 月額料金:問合せ

Okraはデザインのリニューアルや企業の基幹システムとも連携可能なCMSです。公開画面と同じ画面で編集ができるため専門的な知識は特に必要ありません。生産性の高さを追求しているCMSなので、コンテンツ作成の時間が削減できます。

Okraの公式ホームページ

bingo!CMS


bingo!CMSの導入に掛かる費用

  • ライセンス費用:38000円~ (税抜)
  • パッケージ型

bingo!CMSはテンプレートの無料配布があることや直感的な操作でコンテンツの更新ができるなど知識がない人でも簡単にデザインや記事作成が行なえるCMSです。また問合せフォーム標準機能で付いているため、ライセンス費用のみでほとんどの作業が可能と言えるでしょう。

bingo!CMSの公式ホームページ

Web Meister


Web Meisterの導入に掛かる費用

  • 初期費用:200,000円~
  • 月額料金:20,000円~

Web Meisterは表示速度が速い静的CMSですが専門的な知識がなくてもコンテンツの作成が行えます。そのため更新頻度を上げることも可能ですし、動的CMSと比べてセキュリティも強固なモノになっています。

Web Meisterの公式ホームページ

WEB SPIRAL


WEB SPIRALの導入に掛かる費用

  • 初年度ライセンス料:189万円

*2年目以降は50万円

WEB SPIRALは既存のサイトに即日導入できるCMSです。承認機能が充実しているためダブルチェックも簡単に行えますし公開日時を設定できるなど運用面での使いやすさを重視してると言えるでしょう。テンプレートの使用も可能なので、知識不要でサイトの更新やデザインの変更を行えます。

WEB SPIRALの公式ホームページ

企業利用でのオープンソースCMSと商用CMSの注意点

オープンソースのCMSと商用CMSにはどちらにもメリット・デメリットがあるので、企業でCMSを利用する場合は注意が必要です。

商用CMS オープンソース
メリット 不具合が発生した時の補償あり/企業用として開発されている ほぼ無料で使用可能/デザインやコンテンツの自由度が高い
デメリット 料金が高い/自由度が低く変更に時間がかかる メーカーサポートがない/企業用として開発されていないため機能が不十分な可能性アリ

ただその分オープンソースは費用を大きく抑えられたり自身の好きなようにカスタマイズしやすいというメリットがあるため、企業でCMSを利用するときは優先順位を決めてからCMSを選択することをおすすめします。特に「企業向け」「料金」という部分が大きな違いと言えるでしょう。

企業で利用するからには顧客管理が必要になる可能性が高いですが商用であればセキュリティに関しても自身で行う必要はありません。その点オープンソースで自身で設定するのはもちろんのこと、すべて自己責任で行うこととなります。

商用CMSを導入するメリット

ウェブサイトやコンテンツの作成・更新が容易にできる

通常であればコードを入力してコンテンツの作成やサイトのデザインを行いますが、商用CMSであれば専門的な知識は不要でコンテンツに更新が可能です。またデザインに関してもテンプレートの使用や公開画面を見ながら直感的な操作で編集可能なので、作業時間を短縮できるでしょう。

*商用CMSは静的でも専門的な知識不要で操作できるCMSが多いです。

ウェブサイトの効率的な管理が可能である

本来ウェブサイトの管理は専門的な知識を必要とするため、少ない人数で管理することが多く効率が悪くなりがちです。しかしCMSであれば知識不要なためデザイン文章校正などそれぞれの分野でサイト管理を行えます

コンテンツ配信を素早くできる

CMSを導入すれば自社でサイトの管理ができるので、コンテンツを作成すればすぐに配信可能です。サイト管理を外注していると配信するまでに時間が掛かるので、大きなメリットと言えるでしょう。

統一感のあるウェブサイトを作成できる

テンプレートの使用でサイト全体のデザインを統一できます。テンプレートがない場合は1ページずつデザインしなければなりません。そのため違和感が発生する可能性がありますが、商用CMSなら簡単に一体感を出せます。

SEO対策に強い

CMSは「URL」「htmlタグ」などを自動で生成できるため、SEOの内部対策についてはほぼ行う必要がありません。通常であれば1つずつ設定しなければなりませんし知識も必要になるので検索順位を左右するSEO対策に長けていることは大きな武器になります。

商用CMS導入時の注意点

セキュリティ

商用CMSを導入するときは「パッケージ型」「クラウド型」のどちらかにしましょう。理由はオープンソースのCMSだとプログラムのソースコードが公開されているので知識があれば構造を簡単に理解できます構造が分かれば自社サイトに侵入 (ハッキング) される可能性も十分にあるので、セキュリティ面を考えればオープンソースという選択肢は危険と言えます。

社内体制

導入前に運用体制を整えましょう。商用CMSは機能が豊富ですが高価なモノです。そのため導入しても「操作する人がいない」「人員が足りなくて管理しきれない」となれば商用CMSを導入した意味がありません。導入するときは担当者を決めてどのような作業をするのかを割り振ってからCMSを導入しましょう。

使いやすさ

CMSは使いやすいと言っても万能ではありません。そのため導入前には導入後に担当する人が扱えるモノなのかを確認しましょう。商用CMSを扱っている企業では「デモ」「無料体験」など導入前にCMSを操作できるサービスを行っているところがほとんどなので、まずは試験的に商用CMSを使ってみることをおすすめします。

機能性

商用CMSにはそれぞれ特徴があるので、必要な機能が揃っているCMSを選びましょう。自社で作成したいサイトと合ったCMSでなければイメージ通りにサイト作成を進まないどころか最悪の場合余分な機能が多すぎて業務が滞る可能性もあります。そのため作成したいサイトに合った機能が付いてるCMSを選ぶ必要があります。

サポート体制

商用CMSではサポートが付きなのも1つのメリットと言えますが、メーカーによって「アップデートの回数」「サポートできる範囲」が違うので事前に確認しておきましょう。また有料・無料もメーカーによって違うので、注意しましょう。

商用CMSに対する誤解

誰でもwebサイトが作成できるようになる

商用CMS (特に動的CMS) は直感的で簡単にサイトを作成できると伝えてますが、デザインの変更や文章を書くといった経験がない人にはサイト作成は難しいと言えるでしょう。あくまでプログラミングの入力をしなくても記事の作成ができるということなので、CMSを使えば誰でもwebサイトの構築ができるわけではありません。

SEO対策ができる

CMSを使用しただけではSEO対策にはなりません。SEO対策がしやすくなっているのは事実ですが実際にSEO対策を行うには「記事の構成」「サイトの設計」などが大切になります。これらはある程度知識が必要なので、「商用CMS=SEO対策は完璧ではない」ということは覚えておきましょう。

CMSを導入すれば自社でwebサイトが更新でき費用削減となる

CMSを導入すれば「更新頻度」「外注費」などは削減可能ですが、サイトを運営するにあたり「人件費」が掛かるため大幅には費用を削減できません。また自社で構築不可な機能を追加する場合に費用も掛かるため、費用削減よりもCMSを導入したことで発生する費用対効果を重視したほうがCMSを導入しやすいと言えるでしょう。

CMSは誰でも同じものができる

CMSは誰でも導入できますが、会社の考え方によって同じCMSを使ったとしても全然違うサイトとなります。「顧客のニーズ」「販売する商品」などによってサイトの内容は大きく変わるので、覚えておきましょう。

CMSを導入すれば集客できる

CMSはサイトの作成をスムーズに行えるツールですが、CMSを導入してもコンテンツが良好でなければ集客はできませんCMSはあくまで作業効率を上げるためのツールなので集客をするためには「良好なコンテンツ」「サイト設計」を自社で行う必要があるということを覚えておきましょう。

失敗しやすい商用CMS選定

何でもいいからCMSを導入したい

CMSはそれぞれ特徴が違うため何でもいいからと適当にCMSを導入した場合イメージしているサイトが作成できない可能性があります。CMSを導入するときは「導入予定のCMSで目的のサイトは作成可能なのか」ということを一度考えたほうが良いと言えるでしょう。

CMSの機能比較表できめてしまう

機能の比較表を見るとOKや〇が多いほうが良いように思えますが、選ぶ時に重視することは自社のサイトを作るのに適した機能があるかどうかです。比較表でOKや〇が多いからと言って必ずしも目的のサイトが作成できるわけではありません

またOKや〇が付いていたとしてもサイトの規模によっては使えないということも考えられるので、「実際に使えるのか」ということを確認してから導入しましょう。

シェア率が高いというCMSだけで選択する

「シェア率が高い=すべての機能が優れてる」ではありません。CMSのシェアで言えば世界中のサイトの約25%がWordpressが作成されているので、Wordpressを導入という話になりますが、Wordpressはオープンソースなのでパッケージやクラウドと比べた場合セキュリティが弱いという欠点があります。

作成するサイトに高いセキュリティを求めるのであればシェア率が高いオープンソースのCMSを導入しても意味がありません。CMSを導入するときは目的のサイトを作成できる機能が備わっているCMSを選びましょう。

商用CMS導入時にありがちな失敗例

更新が部分的にしか起こらない

CMSによっては自由に更新できる部分が少ないモノもあります。特に更新する必要がなければ問題ありませんが、更新する機会が多い部分であった場合常にメーカーに依頼しなければなりません。CMS導入時にはサイト構築後に更新できる範囲を必ず確認しましょう。

プラグインやカスタマイズが難しい

プラグインやカスタマイズが難しい場合、使える人が限られてしまうので複数人でサイト管理を行えなくなります。CMSのメリットの1つに「直感的操作が可能」ということも挙げられるので、プラグインの使い方やカスタマイズがあまりに複雑なCMSの導入は、控えたほうが良いと言えるでしょう。

サポートがない

CMSは導入時だけでなく導入後にもトラブルが起こりやすいです。そのためサポートがないと自社で解決しなければなりません。しかしCMSのトラブルは解決するのに時間が掛かることもありますし、専門的な知識が必要になることも多いので、できればサポート体制が整っているCMSを導入しましょう。

更新するのが難しい

CMSを導入する理由の1つとして、コンテンツやデザインの更新頻度を多くしたいという狙いがあると言えますが、CMSによっては「更新までの工程が多い」「操作が難しい」という可能性も考えられます。更新できなければCMSを導入しても無駄になるので導入前に実際に使ってみてから判断しましょう

商用CMSに関するQ&A

CMSの初期費用はどれくらいかかりますか?

CMSを導入、サイト構築を依頼したときの料金の目安です。

  • 初期費用:20,000~50,000円
  • 企画費用:50,000~150,000円
  • デザイン費:50,000~100,000円
  • サポート+メンテナンス:月額5,000~20,000円

*デザイン費はトップページの料金です。下層ページの場合は約1/3の金額が目安となります。

こちらはすべてメーカーに依頼した場合の料金の目安ですが、企画やデザインを自社で行った場合は初期費用だけで済みます

商用CMS (パッケージ型CMS) まとめ

商用CMSは種類が多く機能もそれぞれに特徴があるので選ぶ時に迷いますが、目的に合わせれば導入に失敗しなくて済みます。

  • パッケージorクラウドはサポート受けれる
  • 商用CMSの導入すれば更新頻度を多くできる
  • 静的CMSはセキュリティの水準が高い
  • 動的CMSは直感的な操作が可能
  • 商用CMSはコストが掛かる
  • CMS導入しただけではサイト作成は不可
  • 機能が多くても目的のサイトが作れないことがある
  • 導入前に必ず試験的運用を行う

商用CMSの特徴を覚えてイメージ通りのサイト作成ができるCMSを導入しましょう

この記事を書いたライター
CMS比較NAVI編集部
CMS比較NAVI 編集メンバーが不定期で更新します。 CMSの最新ニュースからすぐ使えるノウハウまで、わかりやすく紹介します!