国産のCMSとして人気のMovable Type。高いセキュリティ、多機能、柔軟性を武器に多くの国内企業に選ばれているCMSです。
この記事ではMovable Typeの基本情報について、使い方、テンプレートの作り方、セキュリティなど項目ごとに詳しく解説しています。
WordPressと比較されることも多いMovable Typeについて知りたい方やCMSの導入をお考えの企業はぜひ参考にしてください。
Movable Type (ムーバブルタイプ)とは?基本情報について
Movable Typeはシックスアパートメントが開発、提供するコンテンツマネジメントシステム=CMS。プラグインによって拡張が可能な拡張型のCMSで、始めはブログツールとして開発されたため、ブログ感覚で専門知識なしでも使用できる点が特徴です。
専門知識がある方には自由度の高いデザインやレイアウトも可能な製品になっています。またWeb上に公開する際、静的HTMLを生成するため、エンドユーザーにとって快適な読み込みの速いホームページがつくれて、サーバへの負担が軽めなのも魅力です。
大規模なサイトや複数のサイトを一括管理するのに向いたCMSです。Movable Typeは個人での利用は無料で可能ですが、ビジネス用は有料になっています。企業、法人向けにはクラウド版もあり、すでにWebサイトを持っている会社なども導入しやすいCMSといえるでしょう。
Movable Type (ムーバブルタイプ)の基本操作
まずはMovable Typeの構成を把握しましょう。Movable Typeは大きくわけて、ウェブサイト、ブログ、ウェブページの3つにわけられています。
ウェブサイト
ブログとウェブページを管理する部分。ウェブサイト内に複数のブログやウェブページを設置できる、いわゆる家のような位置づけです。ここを起点にブログやウェブページを展開していきます。複数のサイトを管理するときに便利です。
ブログ
よく更新されるページやコンテンツを展開するのに主要に使われる部分です。会社のブログで例えると、新商品の紹介ページや採用情報など、よく内容の動く動的ページです。ブログで構築すると使い勝手がいいでしょう。
日付ごとにアーカイブしたり、タグ設定によってデータをわけたりするときにも使えます。
ウェブページ
更新の頻度が少ないあまり変わらない固定の情報を掲載するのに使う部分です。変化が少ない会社のプライバシーポリシーなど静的ページの構築に適した部分です。
この構成を軸としてMovable Typeを使用していきます。
Movable Typeでつくったサイト例
ではMovable Typeでつくったサイトの例をみてみましょう。
株式会社集英社「集英社Webマガジンコバルト」
公式サイトのリニューアルの際にMovable Typeを導入しました。Webマガジンサイトという性質上、更新頻度、更新箇所、共に多く、こちらのサイトは小説を読む方、投稿する方がいる双方型サイトであったこともあり、仕様の異なるページが複数必要でした。
これらのページをテンプレートとテキスト出力のみでつくれることがMovable Typeの導入の決めてだったようです。最初にきちんとした構築をしたことで、更新しやすくミスのしづらい管理システムをつくることに成功しました。
またMovable Typeによりできるかぎりスマートフォンに最適化したことで、順調に閲覧者や投稿者が増えているそうです。
Movable Type (ムーバブルタイプ)のインストール
Movable Typeのインストールに必要な準備
Movable Typeをインストールする前にPerl が動くMySQLサーバ、プログラムのインストール場所などが必要です。Movable Typeは、だいたいがPerlで構築されているためPerlが動く環境をつくりましょう。
またファイルを送受信するソフトであるFTPクライアントと、JavaScriptが動くWebブラウザも用意してください。
準備ができたら、提供元であるシックスアパートメントのユーザーサイトに登録しMovable Typeの本体をダウンロードしてインストールしてください。
Movable Type (ムーバブルタイプ)のプラグイン
プラグインはCMSの拡張をして新しい機能プラスするソフトウェアのことをさします。プラグインを使ってさまざまな機能をCMSにプラスして、より便利で快適にMovable Typeを使用できます。
オープンソースのCMSは各企業、個人などがそれぞれに開発したプラグインなため安定して動作するかの保証はありませんが、Movable Typeのプラグインはシックスアパートメントが検証したプラグインを提供しているため、プラグインでの拡張が安心して可能です。
Movable Typeを使うときに人気のプラグインをいくつかご紹介します。
PageBute
Movable TypeでつくったHTMLページを分割してくれるプラグイン。設定が簡単で使いやすい定番のプラグインです。
Copy This Entry
記事の複製に使えるプラグイン。カスタムフィールドの内容も複製してくれるため、ベースにする記事を元に記事を複数つくりたいときにおすすめです。
Access Counter
ブログの記事のアクセス数をカウントし、ランキングをつくってくれるプラグイン。アクセス数順に指定した数のブログを一覧にすることもできます。サイト状況の把握にかかせないプラグインです。
Movable Type (ムーバブルタイプ)のテーマ (テンプレート)
Movable Typeでテーマをつくるには2つの方法があります。
1、管理画面で現在のブログのデザインをテーマとして他のアプリケーションで読み込めるように出力=エクスポートする方法。
2、自分でテンプレートを作成
自分でテンプレートを作成する場合HTMLに似た、Movable Type独自の構築言語MTMLの知識が必要ですが、より自由なカスタマイズが可能です。
またMovable Typeのカスタマイズについては初心者の方向きにPDFとWeb上でトフでもできる『Movable Type.net テーマ開発ブック』をダウンロード&閲覧できて、テンプレートの作り方を無料で学習できます。
1の比較的簡単なテンプレートをカスタマイズする方法から、2の自分でテーマを作成するところまで順を追ってMovable Typeのテーマについてガイドしてくれるため、気になる方は閲覧&ダウンロードしてみてください。
Movable Type (ムーバブルタイプ)のセキュリティ
Movabl typeはWeb上に公開する際、静的HTMLを生成するという特徴があります。コンテンツとCMS本体はとわかれた状態のため、Movable TypeはセキュリティホールができにくいCMSになっています。
Movable TypeはWeb上でのデータや通信を暗号化するSLL化が管理画面で可能です。くわえてMovable Typeでは簡易な認証をWebサイトなどにかけるBasic認証をログイン情報と管理画面にかけられます。ログイン時とIDやパスワードを違うものにすることでよりセキュリティの強化が可能です。
Movable Type (ムーバブルタイプ)のサポート体制
有料ライセンスのMovable Typeは公式サポートがあり、標準サポートはライセンス契約を交わしてから1年間。またメンテナンスの更新によって1年ごとに任意の期間延長が可能です。
サポートはメールのみですがWordPressなどのオープンソースCMSと違い公式のサポートを受けられるため、問題が迅速に解決できます。基本的にメールの返信は3日以内にする体制でサポートしてくれます。
Movable Type (ムーバブルタイプ)のよくある質問
Movable Typeを導入するにあたってよくある質問と答えをご紹介します。
テクニカルサポートの利用の仕方
Movable Type7では
ユーザーサイトにログインすると、取得済みのライセンス一覧が表示されます。その中から「MT サポートに問い合わせる」を選んで、そちらからお問い合わせしましょう。
見積りして欲しい
シックス・アパートに注文される場合、公式のお問い合わせフォームより「見積りを希望する製品名と価格」をそえて、見積りの発行を依頼しましょう。
Movable Type (ムーバブルタイプ)のまとめ
この記事ではMovable Typeの基本情報、基本操作、Movable Typeでつくったサイト例などについてまとめました。
Movable Typeの基本を知り、WordPressなどのオープンソース系CMSとの導入に迷った際などの参考にしてみてください。