Movable Typeは大きく3つ、「Movable Type.net」「Movable Type クラウド版」「Movable Type ソフトウェア版」に分けられます。
Movable Type.netは、機能が制限されているのが特徴の1つです。しかしクラウド版とソフトウェア版は似た特徴があり、違いが分かりにくいと感じる人もいるでしょう。
そこで今回は、Movable Type クラウド版の特徴を中心にお伝えします。ソフトウェア版との違いもご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
Movable Type (ムーバブルタイプ) のクラウド版とソフトウェア版の違い
Movable Typeのクラウド版とソフトウェア版は、それぞれ異なる特徴があります。以下で詳しくご紹介しましょう。
Movable Type (ムーバブルタイプ) クラウド版の特徴
まずMovable Type クラウド版ならではの特徴をお伝えします。
管理画面の動作・再構築が高速
Movable Type クラウド版は仮想サーバーの能力を最大限活かせるように、環境を最適化しました。
管理画面の動作が高速になり、表示スピードが約3倍にアップ。再構築のスピードも上がり、Movable Type ソフトウェア版を標準的な構成で使用した場合の約1.6倍ともいわれています。
サーバー配信機能を搭載
Movable Type クラウド版にはサーバー配信機能を搭載。作成したコンテンツやサイトを、外部サーバーに配信することが可能です。
CMSを公開サーバーに置かなくてもサイトを運用できるため、サーバーの不正アクセスなどのリスクを減らせます。
配信先はサイト単位で複数指定でき、配信は即時と予約のいずれも設定可能です。
サーバー監視・セキュリティ対策も万全
Movable Type クラウド版のバージョンアップ、OSのアップデートは運営会社のシックス・アパート側で実施します。
常に最新バージョンを使えるため、セキュリティ対策が万全です。
またサーバー監視も運営会社が行なっているので、何か問題があれば素早く対応してくれます。安心して使えるCMSです。
Movable Type (ムーバブルタイプ) ソフトウェア版の特徴
ここからはMovable Type ソフトウェア版の特徴をご紹介します。
対応プラグインが豊富
Movable Type ソフトウェア版は対応可能なプラグインが充実し、種類も豊富です。カスタマイズの幅が広く、自由に編集できます。
自由度の高いサイト構築が行え、高度なカスタマイズも可能です。便利なプラグインが入ったお得なセットも用意されています。
サーバーの設定・管理を自社で自由にできる
Movable Type ソフトウェア版は自社の管理サーバーにインストールし、利用します。サーバーの設定や管理を、自社で自由に行なうことが可能です。
サーバーを用意し、インストールが必要ですが、自社でサーバー管理をしたいならMovable Type ソフトウェア版をおすすめします。
法人向けの上位版プランがある
Movable Type ソフトウェア版は法人向けの上位版、「Movable Type Advanced」が用意されています。
1ライセンスあれば、複数のサーバーにインストール可能です。複数企業での共同利用、フランチャイズチェーンでの利用など、法人の大規模運用に適しています。
Movable Type (ムーバブルタイプ) クラウド版のプラン料金
Movable Type クラウド版の料金はCPUやメモリなどによって、プランが異なります。以下の表を参考にしてみてください。
プラン | CPU | メモリ | ディスク | 転送量/月 | Webサーバー | マルチドメイン対応 | 6および7 (月額・税抜) | Premium (月額・税抜) |
S1i | 1CPU | 1GB | 10GB | 1TB | Nginx | × | 5000円 | 8000円 |
S2i | 1CPU | 2GB | 10GB | 1TB | Nginx | × | 8000円 | 12800円 |
S250i | 1CPU | 2GB | 50GB | 1TB | Nginx | × | 12000円 | 19200円 |
S4i | 1CPU | 4GB | 10GB | 2TB | Nginx/Apache | ○ | 19000円 | 30400円 |
S450i | 1CPU | 4GB | 50GB | 2TB | Nginx/Apache | ○ | 28000円 | 44800円 |
S4100i | 1CPU | 4GB | 100GB | 2TB | Nginx/Apache | ○ | 35000円 | 56000円 |
S4300i | 1CPU | 4GB | 300GB | 2TB | Nginx/Apache | ○ | 60000円 | 96000円 |
S4500i | 1CPU | 4GB | 500GB | 2TB | Nginx/Apache | ○ | 85000円 | 136000円 |
M450i | 2CPU | 4GB | 50GB | 2TB | Nginx/Apache | ○ | 42000円 | 67200円 |
M4100i | 2CPU | 4GB | 100GB | 2TB | Nginx/Apache | ○ | 60000円 | 96000円 |
M1650i | 2CPU | 16GB | 50GB | 3TB | Nginx/Apache | ○ | 67000円 | 107200円 |
M16100i | 2CPU | 16GB | 100GB | 3TB | Nginx/Apache | ○ | 87000円 | 139200円 |
M16300i | 2CPU | 16GB | 300GB | 3TB | Nginx/Apache | ○ | 107000円 | 171200円 |
M16500i | 2CPU | 16GB | 500GB | 3TB | Nginx/Apache | ○ | 127000円 | 203200円 |
【Q&A】Movable Type (ムーバブルタイプ) クラウド版でよくある質問
Movable Type クラウド版でよくある質問を以下でまとめました。利用を検討中の人は、前もって確認しておくと安心です。
Q.SSLサーバー証明書の取得方法は?
Movable Type クラウド版でSSLサーバー証明書の取得はできません。
SSLサーバー証明書の取得のために必要な作業、費用については、証明書発行サービスを請け負っている業者に相談してください。
SSLサーバー証明書を取得した場合は、管理画面で設定が必要です。証明書、秘密鍵、中間証明書も準備しましょう。
サイドメニュー内の「クラウドサービス」から「サーバー証明書」を選ぶと、サーバー証明書の設定が可能です。
Q.CSRファイルの作成方法は?
Movable Type クラウド版では、CSRファイルの作成ができません。
CSRファイルを作成するためには、OpenSSLなどの外部ツールが必要です。レンタルサーバーなど別途サーバーを利用している人は、利用中のサーバーでCSRファイルを作成できます。
利用しているサーバーがない人、CSRファイルの作成方法がよく分からない人は、SSLサーバー証明書の発行元に相談しましょう。
Q.DNSの意味とは?
DNSとは「Domain Name System」の略です。
独自ドメインは、取得後すぐには利用できません。Movable Type クラウド版で取得した独自ドメインを利用するには、ネット上のIPアドレスと紐づける設定が必要です。
ドメインを利用するために、紐づける設定を行なう仕組みのことをDNSと呼びます。
なおIPアドレスとは、ネット上の住所のようなものです。ネット接続するすべての機器に割り当てられています。
Q.ネイキッドドメインは使用できる?
ネイキッドドメインを使用するためには、DNS設定でAレコードを使い、Movable Type クラウド版で利用したいIPアドレスに設定してください。
Movable Type クラウド版で利用中のIPアドレスは、マイページで確認可能です。ログイン後、マイページ内のMovable Type クラウド版の番号をクリックし、「IPアドレス」にて確認できます。
DNS設定で不明点があれば、利用中の独自ドメインの管理業者へ問い合わせましょう。
Q.初期設定情報はどこで確認できる?
Movable Type クラウド版の初期設定情報は、マイページで確認します。
マイページのインスタンス一覧から、初期設定情報を見たいMovable Type クラウド版の番号をクリックしましょう。
情報の変更や再設定をした場合でも、マイページには初期情報を記載しています。変更内容は反映されていません。変更内容はメモに残し、保管しておきましょう。
Q.マイページの情報でサインインできないときの対処法は?
Movable Type クラウド版のマイページに記載されている情報は、すべて初期設定のものです。
ただし無料引っ越しサービスを使ってデータをMovable Type クラウド版に移行した場合、アカウント情報も移しています。引越し元のサインイン情報を引き続き利用してください。
同様にMovable Type クラウド版でユーザー名の変更、パスワードの再設定を行なった場合も、変更後・再設定後のサインイン情報を利用しましょう。
Q.マイページの情報でFTPSに接続できないときの対処法は?
マイページに記載しているのは、初期設定情報です。
FTPSパスワードをリセットした場合は、リセット後のパスワードで接続してください。リセットしたFTPSパスワードはマイページに反映されないので、注意しましょう。
プランを変更した場合は、マイページでFTPS接続情報を確認してください。
もし上記のケースに該当しない人は、以下の通りに設定しているか確認しましょう。
- プロトコル…FTP
- 暗号化:…明示的な TLS/SSL 暗号化
- ポート番号… 21
- ホスト名…(Movable Type クラウド版の IP アドレス)
- ユーザー名…(FTPS ユーザー名)
- パスワード…(FTPS パスワード)
Q.IPアドレスはどこで確認できる?
Movable Type クラウド版にログイン後、マイページでIPアドレスを確認できます。
マイページで確認する方法が不明な場合は、前述した「Q.ネイキッドドメインは使用できる?」を参考にしてみてください。
Q.自動アップデートを停止する方法は?
システムの管理画面内にある「クラウドサービス」から「自動アップデート」に進み、「Movable Type の自動アップデートを有効にする」のチェックを外します。
チェックを外すと最新版のリリースから30日間、自動アップデートを停止することが可能です。30日経つと自動アップデートが行われるので、注意してください。
アップデートに不安がある人は、有料サンドボックスがおすすめです。現在の環境を複製し、1ヶ月間利用できます。本番環境の自動アップデート停止中、サンドボックスでアップデート後の環境を利用可能です。期間は延長できます。
Q.サーバー配信で使用されるポート番号を知る方法は?
サーバー配信をする際、FTPプロトコルをパッシブモードで使います。制御用コネクションとデータ転送用コネクションに対し、別々のポートを使用するため、配信先でポートの開放を行なってください。
ポートはMovable Type クラウド版で設定せず、配信先のFTPサーバーで事前に設定されています。配信先のFTPサーバーのポートで不明な点があれば、FTPサーバーの管理者に確認しましょう。
なお制御用コネクションでは21番、データ転送用コネクションでは20番を使うのが一般的です。
Movable Type (ムーバブルタイプ) のクラウド版まとめ
Movable Type クラウド版は管理画面の動作が高速で、スムーズに作業できます。サーバー配信機能を搭載し、サーバー監視も行なっているため、セキュリティ対策も万全です。
メモリやディスク、転送量などにより、プランが豊富に用意されています。構築したいサイト、利用するサーバーに合わせて、お好みのプランを選択可能です。
サーバー管理の手間を減らしたい人、安全な環境でサイト構築したい人は、Movable Type クラウド版をぜひ検討してみてください。