WordPressで安定的にサイトを運営するためには、バージョンアップやバックアップなどの保守対応が必要です。
保守対応は個人でもできますが、プロに任せる方がトラブルが少なく、サイト運営に集中できるというメリットもあります。
そこで今回はWordPressの保守サービスの内容、保守会社を選ぶ手順についてご紹介します。各社サービスの詳細もお伝えするので、ぜひチェックしてみてください。
WordPress (ワードプレス) の保守はどんなサービス?
WordPressの保守には、次のようなサービスがあります。
- サイトの死活監視をする
- コアファイルのバージョンアップをする
- プラグインのバージョンアップをする
- 定期的なバックアップをする
- 緊急時のバックアップ復元をする
- 検証環境の構築をする
- 改ざんチェックをする
- 電話・メールサポートをする
サービスの内容は、保守する会社によって異なります。申し込む前にどんなサービスがあるのか、しっかり確認しましょう。
以下でサービスの具体的な内容をご紹介します。
サイトの死活監視をする
WordPressで運営しているサイトが問題なく稼働しているか、死活監視をします。
プラグインなどを使ってサイトにデータを送り、応答がない場合にはサイト運営者と保守会社にメールで連絡が届くという方法が一般的です。
しかしプラグインやプログラムで24時間365日監視をしていても、対応可能な連絡時間帯は24時間ではない場合もあります。エラーに対応する際の時間帯もきちんと確認しましょう。
コアファイルのバージョンアップをする
セキュリティを高めるため、WordPressは常に最新バージョンの使用を推奨しています。
ところがコア (本体) ファイルをバージョンアップすると、サイトの画面が真っ白になる、プラグインが動かないなどのトラブルを招く可能性があり、注意が必要です。
保守サービスではトラブルが生じないように、コアファイルのバージョンアップをしてくれます。
テスト環境でWordPressをバージョンアップし、問題がないと確認した後、実際にバージョンアップ。トラブルなく、常に最新バージョンのWordPressを使えます。
プラグインのバージョンアップをする
コアファイルと同様、WordPressのプラグインも最新バージョンの使用が推奨されています。
しかしプラグインをバージョンアップすると急に動かなくなったり、一部の機能に使えなくなったりし、中にはWordPressが正常に使用できない場合もあります。
保守サービスでプラグインのバージョンアップを依頼すれば、テスト環境で動作確認をするので安心です。もしプラグインのバージョンアップによりサイトに適さない場合には、別のプラグインの提案なども行ないます。
定期的なバックアップをする
WordPressのプラグインの中には期間を設定し、自動的にファイルやデータベースのバックアップをするものがあります。
保守サービスでもプラグインを使い、定期的にバックアップを行なうのが一般的です。
バックアップをするプラグインの設定は簡単にできるため、不要と思う人もいるかもしれません。次にお伝えする「緊急時のバックアップ復元」とセットになっている、という特徴があります。
緊急時のバックアップ復元をする
サイトの運営中は、いつどんなトラブルが生じるか分かりません。
間違ってWordPressの大切なファイルを削除したり、ハッキングされて不正なリンクを挿入されたりと、さまざまなトラブルが予想されます。
万が一の場合に備えて保守会社が定期的にバックアップをしておけば、緊急時のバックアップ復元が可能です。
検証環境の構築をする
WordPressのコアファイル、プラグインのアップデートを問題なく行なうためには、検証環境の構築が必要です。
アップデートで思わぬトラブルが生じるのを回避するため、まずは検証用のサイトでアップデートをします。
実際のサイトに近い環境をつくるのが重要なため、検証環境は基本的にサイト運営側のサーバーで構築。もし構築が難しい場合には、保守会社のサーバーで検証環境の構築をすることも可能です。
改ざんチェックをする
WordPressは常に、クラッカー (悪意を持つハッカー) によって改ざんされる恐れがあります。
もしクラッカーに不正なコードが埋め込まれると、サイトを乗っ取られてしまい、運営は困難です。
ツールを使って改ざんチェックを行ない、定期的に不正なリンクやコードがないか確認しましょう。ファイルの変更履歴を確認し、見覚えのない変更がないかチェックするという方法もあります。
電話・メールサポートをする
保守内容だけではなく、どんな連絡手段でサポートをするのかも、あわせて確認しておきましょう。
WordPressの保守サービスは、メールのみで対応する会社が多いようです。メールだけだと不安な人は、電話によるサポートも可能な会社を選ぶとよいでしょう。緊急時に電話サポートを受けられると安心です。
中にはチャットやFAX、訪問でサポートをする保守会社もあります。
サイトを保守する理由
会社に頼んでまでサイトを保守する理由は、大きく2つあります。サイトを安定して稼働させ続けるため、そして成果がでるまでの問題点をみつけるためです。
以下でそれぞれの理由を詳しくご紹介します。
安定して稼働させ続けるため
サイトを安定して稼働させ続けるためには、WordPressやサーバー、ドメインの設定が必要です。
WordPressの設定を手探りで変更すると、トラブルが起こる可能性があります。特にサーバーに関する作業は難しく、分からない点も多いでしょう。
自分で悩みながら設定するも、保守会社に任せた方がトラブルの可能性は低く、安心です。WordPressやプラグインを最新バージョンで利用でき、セキュリティを高めることもできます。
成果がでるまでの問題点をみつけてくれる
サイトで成果をだすためには計画 (Plan) を立て、実行 (Do) し、現状を分析 (Check) し、改善 (Action) する、PDCAを回すことが大切です。
WordPressの保守会社の多くは、運用サポートも行なっています。保守と運用のサポートを受ければ、サイトのPDCAを回して成果がでるまでの問題点をみつけてくれます。
SEO分析や画面のカスタマイズなど、サイトを運用中に悩んでいることや不安なことがあれば、相談してみましょう。
WordPress (ワードプレス) の保守サービスを選ぶ手順
WordPressの保守サービスはさまざまな内容があるため、何を選べばいいのか迷う人もいるかもしれません。どの保守サービスにするか、次の手順で選ぶのがおすすめです。
- 自社サイトにどのサポートが必要か決める
- 予算から選ぶ
- サポート体制を確認する
- 実績・信頼性を確認する
各手順のポイントや注意点をご紹介します。
自社サイトにどのサポートが必要か決める
前述したようにWordPressの保守サービスでは、サイトの死活監視やプラグインのバージョンアップ、バックアップ復元などさまざまなサポートが受けられます。
まずは自社サイトにどのサポートが必要なのか決めることが大切です。
「トラブルなく、WordPressをアップデートしたい」「セキュリティを高めたい」「緊急時にバックアップ復元できるようにしたい」など、受けたいサポートにあわせて保守サービスを選びましょう。
予算から選ぶ
自社サイトに必要な保守サービスの内容を決めたら、次に予算を決めましょう。
サポートの内容や会社によって、金額はそれぞれ異なります。予算内におさまるものを選びましょう。
受けたいサポートがあっても予算に合わない場合や、プランが用意されていない場合もあるかもしれません。
予算とサポート内容を見直しても折り合いがつかない場合には、保守会社に相談してみてください。プランの変更に応じる場合があります。
サポート体制を確認する
予算まで決まったら、サポート体制の確認をしましょう。
WordPressを使ってサイトを運営していると、いろいろな不具合が生じる可能性があります。しかし保守会社がメール対応のみの場合、すぐに返事がくるとは限りません。
2~3営業日以内に返信するケースが多いため、「ログインができない」「投稿できなくなった」など急にトラブルが起こった際、メール対応だけだと不安に感じるでしょう。
電話でもサポートしてくれる会社を選ぶと、より安心です。
実績・信頼性を確認する
WordPressの保守会社は多々ありますが、大半のサービスは内容や金額が類似しています。
保守サービスを依頼する会社を選ぶ際、実績・信頼性を確認することも重要です。
大切な自社サイトの運用に関わるため、信頼できる保守会社なのか、情報や実績をきちんと確認しておきましょう。
事前に打ち合わせをするのであれば、担当者の対応も確認しておくのがおすすめです。回答のスピードや知識量から、信頼性を把握できるでしょう。
各社サービスの詳細をご紹介
いざ「プロにWordPressの保守を任せたい」と思っても、会社もサービスもさまざまあり、迷ってしまうでしょう。
WordPressの保守サポートを行なっている会社と、各社サービスの詳細をご紹介します。
ただし執筆時点の情報のため、最新の情報は各社のサイトでご確認ください。
シングスマネジメント
初期費用が0円、月額料金が4,800円 (税抜) からと、低価格な点が魅力です。4,800円 (税抜) で同一サーバーのサイトをさらに1つ追加できます。
WordPressのアップデートはコアファイル、テーマ、プラグイン、翻訳まで対応。サポートはチャットとメールで対応し、上位プランなら緊急時のみ電話対応しています。
死活監視や1年ごとの定期点検も行なっており、緊急時の障害対応も対応可能です。検証環境の構築は上位プランに含まれています。
https://management.thingslabo.com/maintenance/wordpress-maintenance/
wp.support
初期費用0円ではあるものの、月額費用40,000円と少し高めです。
しかしその分サポートが手厚く、メールと電話でサポート対応を受けられる上、関東圏なら直接対面して打ち合わせできます。関東圏以外は、Skypeなどを用いてオンライン上で打ち合わせが可能です。
WordPressのコアファイル、プラグインのバージョンアップに対応。緊急時のバックアップ復元、検証環境の構築、改ざんチェックもサービスに含まれています。
相談すれば、コンテンツの更新作業やサイトの構築、サーバーの保守対応も可能です。
WP保守工房
最安のプランは初期費用25,000円、月額費用50,000円で用意されています。
問題が解決するまでのサポートを1単位とした「インシデント」という形式が特徴です。毎月4インシデントの保守対応が可能で、1インシデントにつき15,000円で追加できます。
WordPressのコアファイルとプラグインのアップデート、検証環境の構築、サイトの死活監視などに対応。ただしメール対応のみ、電話のサポートは行なっていないため注意しましょう。
ヒラリアスメディアカンパニー
初期費用が30,000円 (税抜) と高く 、月額費用は20,000円 (税抜) です。
アップデートはWordPressのテーマ、プラグインに対応しています。コアファイルはマイナーアップデートだけなので注意してください。メジャーアップデートは相談が必要です。
サイトの定期監視や改ざん対応も行なっています。バックアップも行なっていますが、データベースと投稿画像ファイルのみのようです。メールと電話でサポート対応します。
https://web-site.support/wordpress/
ティーリンク
初期費用55,000円 (税込) 、月額費用11,000円 (税込) で保守に応じます。
WordPressコアファイルとプラグインのバージョンアップは、月1回を目安に実施。事前のバックアップ作業、復旧作業にも対応します。
ただし検証環境の構築を依頼したい場合、別途相談が必要です。
セキュリティ対策のため、初回導入時にはWordPress管理画面のアクセス制限、セキュリティ対策用のプラグインを導入します。
https://www.t-link.jp/wordpress/
Webloco
Weblocoにサイト制作を依頼した場合は初期費用0円、それ以外は50,000円です。月額費用は10,000円で、2サイトまで保守対応しています。年払いだと1ヶ月分無料です。
バックアップとバージョンアップは2週間に1回で、サポートはメールのみ。文章と画像の差し替えが月1回までできます。
ドメインやレンタルサーバーの管理もできますが、別途費用がかかります。
http://www.warrownweb.work/program/standard/
ユーキューブ
初期費用0円、スタンダードプランは月額費用15,000円で提供されています。サーバーを統一管理することで、安価の提供が実現しているようです。
サポートはメールとLINE、Slackの3つで対応しています。WordPressのコアファイル、プラグインのアップデートが可能。本番サイトと同じ構成で検証環境を構築します。
追加料金なしで、独自ドメインを1つ管理可能です。別途見積もりは必要ですが、更新作業にも対応しています。
https://youcube.jp/services/maintenance/
ピクセルデザイン
初期費用0円、月額費用11,000円 (税抜) で保守対応しています。
しかし他社が制作したサイトには対応していないため、ピクセルデザインのクライアント向けの保守サービスです。
WordPressのコアファイル、プラグインのアップデートに対応し、ファイルとデータベースのバックアップにも応じます。
55,000円 (税抜) のプレミアムプランならメールによるサポート、サイト改善の提案も対応。
https://wp.pxdesign.jp/wordpress-support/
ハイファイブクリエイト WordPress (ワードプレス) 保守管理サポート
初期費用0円、月額費用8,000円で保守サポートを受けられます。他社で制作したサイトも保守可能です。
バージョンアップはWordPressのコアファイルからプラグイン、テーマ、翻訳まで対応。別サーバーに1日1回バックアップを行ない、死活監視、改ざんチェックにも応じます。
JavaScriptやHTML、CSSといったコードファイルの圧縮、画像の圧縮にも対応可能です。
https://highfivecreate.com/service/wp-support/pricing
WordPress (ワードプレス) の保守サービスまとめ
WordPressでサイトを運営していると、いろんなトラブルが生じる可能性があります。自分で保守対応するよりも、プロに任せる方が安心でしょう。
死活監視やバックアップの復元、改ざんチェックなどの保守サポートを依頼すれば、安定して自社サイトを稼働させ続けれます。
自社サイトにあう保守サービスを選び、信頼できる会社に依頼しましょう。ご紹介した保守会社もぜひ参考にしてみてください。