Movable Typeはブログやサイトを簡単につくれる、便利なCMSです。基本的にMovable Typeは有料で使用しますが、実は無料で使うこともできます。
そこで今回はMovable Typeを無料で使用するために知っておきたいことや、無料で使用する方法をお伝えします。
無料で利用可能なMovable Typeのテンプレートや、おすすめのプラグインもご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
Movable Type (ムーバブルタイプ) を無料で使用するために知っておきたいこと
3つのタイプがある
Movable Typeには「Movable Type クラウド版」「Movable Type ソフトウェア版」「Movable Type.net」の3つのタイプがあります。
それぞれのタイプで備わっている機能が異なり、サイトを作成する際の自由度も違うため、用途に応じた選択が必要です。
どんな機能や特徴があるか、詳しくは以下でご紹介します。
Movable Type (ムーバブルタイプ) クラウド版
Movable Type クラウド版は、クラウドにある最新バージョンのMovable Typeを利用できます。
面倒なバージョンアップやインストールなどの作業が不要で、常にセキュリティの高い状態でCMSを利用可能です。サーバー配信機能も備わっており、不正アクセスといったトラブルを防ぐこともできます。
セキュリティ対策の手間やコストを抑えたい人、セキュリティを高めたい人におすすめです。
Movable Type (ムーバブルタイプ) ソフトウェア版
ソフトウェア版は対応するプラグインが豊富で、カスタマイズの自由度が3タイプの中で1番高いMovable Typeです。
サーバーが必要ですが、自社でサーバーの設定ができるというメリットがあります。
プラグインの追加も可能なので、複雑なカスタマイズをしたい人や、独自のプログラムでサイト構築をしたい人におすすめです。
Movable Type (ムーバブルタイプ) .net
個人でサイト制作や運営をしたい人には、Movable Type.netをおすすめします。月額費用が2,500円からと安く、無料トライアルを14日間試すことも可能です。
プラグインの追加はできませんが、「メール投稿」「記事差し替え」などのオリジナル機能を搭載しています。レスポンシブ対応のサイトを作成するのも簡単です。
無料使用は「個人」であることが前提
Movable Typeを無料で使用するためには商用利用不可、法人ではなく「個人」であることが前提です。
個人名義でダウンロードをし、個人で運用するブログであれば、アフィリエイトもできます。
法人や個人事業などで商用利用をする場合には、有償ライセンスを選ばなければなりません。
またインストールやサイト構築の代行は依頼できません。もし依頼したい場合、有償ライセンスが必要です。
サポートなどは受けることがでない
Movable Typeの個人無償ライセンスにおいて、以下の事項は制限されていません。
- 作成するブログの数
- ブログを投稿するユーザーの数
- アフィリエイトの利用
しかし次のように、制限されていることがあります。
- インストールは1つに制限
- テクニカルサポートは未対応
- 関連サービスは利用不可
- 企業・団体・法人・商用では利用不可
サポートや関連サービスは受けられないため、制限の範囲をこえて利用したい人は有償ライセンスが必要です。
Movable Type (ムーバブルタイプ) を無料で使用できるライセンスを取得するには
Movable Typeを無料で使用できるライセンスは、3つあります。どのように取得するのかご説明しましょう。
個人無償ライセンス
Movable Typeの個人無償ライセンスは利用許諾契約書に同意した上で、メールにて申し込みます。
まず公式サイトの「個人無償ライセンスダウンロード」をクリックしましょう。
メールアドレスを入力し、利用目的を「初めて利用する」「バージョンアップ」から選択します。
メール送信後に、ダウンロード用のURLが届きます。
個人で所有するサーバーやレンタルサーバーにインストールし、パスワードやサイト名などを設定すれば利用可能です。
もう1つの無償ライセンスである開発者ライセンス
開発者ライセンスとはプラグインやテーマの開発、動作確認をしたい人向けのMovable Typeです。問い合わせフォームで連絡すれば、無料の勉強会などでも使用できます。
ただしサイト構築には使用できないため、注意してください。
開発者登録をすれば、ライセンスコードが無償で発行されます。使用を希望する場合は、公式サイトの「開発者登録」から申し込みましょう。
名前やメールアドレス、利用目的などの項目を回答後、送信すればライセンスコードが発行されます。
商業利用のための30日間無料トライアル
Movable Type ソフトウェア版は、30日間の無料トライアルを利用可能です。企業や団体、商用での利用を予定している人におすすめします。
無料トライアルは申し込みフォームから申請可能です。
名前やメールアドレスなどの必須項目を入力した後、送信します。
無料トライアルが終了した際、勝手に課金されることはありません。トライアル期間以内にライセンスを購入すれば、そのまま続けて利用可能です。
Movable Type ソフトウェア版の初年度はテクニカルサポートを受けられますが、無料トライアル期間中は受けられません。注意しましょう。
Movable Type (ムーバブルタイプ) の各種ライセンスの価格紹介
有料で使える、Movable Typeの各種ライセンスの価格もご紹介します。
Movable Type (ムーバブルタイプ) クラウド版
Movable Typeクラウド版には大きく3つ、「Movable Type 6」「Movable Type 7」「Movable Type Premium」のプランが用意されています。
メモリや転送量などでさらに細かくプランがわかれるため、以下の表を参考にしてみてください。
プラン | CPU | メモリ | ディスク | 転送量/月 | Webサーバー | マルチドメイン対応 | 6および7(月額・税抜) | Premium (月額・税抜) |
S1i | 1CPU | 1GB | 10GB | 1TB | Nginx | × | 5000円 | 8000円 |
S2i | 1CPU | 2GB | 10GB | 1TB | Nginx | × | 8000円 | 12800円 |
S250i | 1CPU | 2GB | 50GB | 1TB | Nginx | × | 12000円 | 19200円 |
S4i | 1CPU | 4GB | 10GB | 2TB | Nginx/Apache | ○ | 19000円 | 30400円 |
S450i | 1CPU | 4GB | 50GB | 2TB | Nginx/Apache | ○ | 28000円 | 44800円 |
S4100i | 1CPU | 4GB | 100GB | 2TB | Nginx/Apache | ○ | 35000円 | 56000円 |
S4300i | 1CPU | 4GB | 300GB | 2TB | Nginx/Apache | ○ | 60000円 | 96000円 |
S4500i | 1CPU | 4GB | 500GB | 2TB | Nginx/Apache | ○ | 85000円 | 136000円 |
M450i | 2CPU | 4GB | 50GB | 2TB | Nginx/Apache | ○ | 42000円 | 67200円 |
M4100i | 2CPU | 4GB | 100GB | 2TB | Nginx/Apache | ○ | 60000円 | 96000円 |
M1650i | 2CPU | 16GB | 50GB | 3TB | Nginx/Apache | ○ | 67000円 | 107200円 |
M16100i | 2CPU | 16GB | 100GB | 3TB | Nginx/Apache | ○ | 87000円 | 139200円 |
M16300i | 2CPU | 16GB | 300GB | 3TB | Nginx/Apache | ○ | 107000円 | 171200円 |
M16500i | 2CPU | 16GB | 500GB | 3TB | Nginx/Apache | ○ | 127000円 | 203200円 |
Movable Type (ムーバブルタイプ) ソフトウェア版
Movable Type ソフトウェア版は単品だと90,000円 (税抜) で利用可能です。パッケージ付きの場合はさらに3,000円かかります。
初年度のみメンテナンスが付属され、翌年度以降も希望する場合は30,000円 (税抜) の「年間メンテナンス」の購入が必要です。
記事の公開申請と承認処理を行なうためのプラグインがセットになった、「Movable Type workflow pack」は130,000円 (税抜) で提供しています。
CMSと公開の環境を分離できるプラグインをセットにした「Movable Type staging pack」は250,000円 (税抜) で利用できます。
Movable Type (ムーバブルタイプ) の無料で利用できるテンプレート
Movable Typeには無料で利用可能なテンプレートがあります。代表的なテンプレートを2つご紹介しましょう。
MTモンスター
MTモンスターが提供するテンプレートは、簡単にダウンロードできます。個人情報の登録をしなくてもダウンロードでき、気軽に利用できるのが魅力です。
洗練されたデザインから可愛らしいデザインまで、幅広いテンプレートを用意。「レスポンシブ版」「2・3カラム版」などお好みのタイプから選べます。
すべて無料で利用できますが、広告が表示される点も特徴です。別途15,000円 (税込) で広告を外せます。
http://www.free-movabletype.jp
Style Leaves (スタイルリーブス)
Style Leavesでは無料のテンプレートが10種類用意されています。
比較的シンプルなデザインが多く、落ち着いた色のテンプレートがお好みの人におすすめです。
Movable Typeの「スタイル」設定画面で簡単に適用できるので、気になるテンプレートがあればぜひ使ってみてください。
https://alfasado.net/style_leaves/
Movable Type (ムーバブルタイプ) 導入後のおすすめプラグイン
Movable Typeのプラグインにはさまざまな種類、機能があります。おすすめのプラグインを5つご紹介しましょう。
MTAppjQuery
jQueryやVue.jsを使って、管理画面上で直接Movable Typeの管理画面をカスタマイズできるプラグインです。
Javascriptを使用し、管理画面をカスタマイズすることもできます。
Movable Typeの管理画面を開発するためには、Perlなどのプログラミング言語の習得が必要でした。しかしMTAppjQueryを使えば、高度な知識がなくても管理画面のカスタマイズができます。
https://bit-part.net/products/mtappjquery/
PageBute
PageButeは、Movable Typeでつくったページを分割するプラグインです。1記事を数ページに分割することができます。
長文の投稿ページを、長々とスクロールさせたくないときに便利です。HTMLページを静的ページとして分割するため、PHP処理などを考えることなく使えます。
ただし検索テンプレートでは使えないため、注意してください。
https://www.skyarc.co.jp/engineerblog/entry/2642.html
Copy This Entry
Copy This Entryは投稿した記事を複製できるプラグインです。
見本として記事を複製しておけば、簡単にカテゴリや文章が統一されたフォーマットを作成できます。
フォーマットを統一して記事を作成したいときや、同じフォーマットで複数人のライターへ執筆の依頼をしたいときにおすすめです。
https://plugins.movabletype.jp/yuji_takayama/copy-this-entry.html
ListingFieldEditor
Movable Typeでは通常、コンテンツデータやカスタムフィールドの内容は記事編集画面で編集します。
ListingFieldEditorを使えば、記事一覧画面で編集することが可能です。
カスタムフィールドを一括変更できるため、記事冒頭の導入文をすべて変えたいときなどに役立ちます。
http://www.koikikukan.com/movabletype/plugin/ListingFieldEditor/
CSVDataImExporter
CSVDataImExporterを導入すると、記事のデータやWebページをCSV形式でインポート、エクスポートできます。
CSVファイルで保存しておくとデータ移動がラクで、サイトの引っ越し時などに便利です。
インポートでのデータ更新は、記事IDや出力ファイルの指定が可能。記事やWebページを一覧画面から選び、エクスポートすることもできます。
サイト構築時にCSVファイルを読み込めば、効率よく作業を進められるため、重宝するでしょう。
http://www.koikikukan.com/movabletype/plugin/CSVDataImExporter/
Movable Type (ムーバブルタイプ) を無料で使用するために知っておきたいことまとめ
Movable Typeを無料で使用するには「個人無償ライセンス」「開発者ライセンス」「ソフトウェア版の無料トライアル」の3つがあります。
ただし無料での使用はサポートを受けられず、関連サービスの利用もできないため、使用を検討している人は注意しましょう。
Movable Typeの無料で利用できるテンプレートや、おすすめのプラグインも参考にして、サイト運営にぜひ役立ててください。