Joomla!の使い方がよくわからないと悩んでいる方が多いと思います。
Joomla!は、日本で知名度はあまり高くありませんが、世界ではかなりの人気を誇るCMSです。
日本国内で知名度のある「WordPress」よりもカスタマイズ性が高く、会員制サイトの構築も比較的容易に行えます。
『使いはじめてみたものの、使い方がよくわからない』
本記事では、このような方に向けて、有用なCMS「Joomla!」の使い方を解説します。
そもそもJoomla! (ジュームラ)とは何か
Joomla!を使いはじめて間もない、もしくは使いはじめる方にとっては『Joomla!とは何か』をまだ理解できていないかもしれません。
Joomla!の、他CMSにはない特徴などを交えて、簡単に紹介します。
Joomla!はCMSのひとつ
CMSとは「コンテンツ・マネジメント・システム」と呼ばれているWebサイトを容易に構築・運営できるシステムです。
Joomla!を使うことにより、より容易に、高度なサイト構築・管理できます。
Joomla!はオープンソースソフトウェア
Joomla!は、オープンソースソフトウェアですので、オープンソースソフトウェアならではのメリットがあります。
まず第一に、無料で利用できることが挙げられます。無料で利用できるがために、多くのエンジニアがJoomla!を利用します。
そのためセキュリティ面に問題があった時や、使いにくい点があった時には、多くのエンジニアがその問題の解決に尽力してくれるでしょう。
逆に、オープンソースでない場合は、たずさわる人の数が比較的少なく、問題の解決に時間や手間がかかります。
Joomla!は海外で高い人気を誇るCMS
多くの海外政府機関などの公的サイトは、CMSとしてこのJoomla!を選んでいます。
たとえば国連のサイト「国際連合地域情報センター」や「ハーバード大学 学芸大学院」が挙げられます。
参考:誰がJoomla!を使っているか?|Joomla!の道しるべ
W3Techsによると、2020年2月13日時点で、Joomla!は世界で2番目にシェアが高く、CMS世界シェア約4.4%となっています。
参考:Usage statistics of content management systems (CMSの使用統計)|W3Techs
つまりCMSを利用して作られたWebサイトのうち、約23サイトに1サイトはJoomla!で作られています。
Joomla! (ジュームラ)の使い方
政府機関など、信頼性が必要なサイトに利用されているJoomla!の使い方を解説していきます。
Joomla!のインストール方法
Joomla!はインストールしなければ利用できません。そのためまずはインストールが必要です。
Joomla!をダウンロードする
以下のリンクからダウンロードページに飛び、「本家+じゃぱん仕様最新版」から最新版を確認し、任意の場所にダウンロードします。
参考:Joomla!じゃぱん
Joomla!をサーバーにアップロードする
FTPツールを使うなどして、Joomla!をWebサイトのサーバーにアップロードします。
お使いのサーバーサービスによって、アップロードする場所など異なります。詳しくは、お使いのサーバーのサービスマニュアルを見るなどして対応ください。
インストールナビゲーションに従ってインストールを完了する
サーバーへのアップロードが完了したら、ブラウザで該当URLにアクセスするとインストールナビゲーションが表示されます。
アクセスするURLは、以下のようになります。(エックスサーバーの例)
サーバーアップロード位置 | URL |
/ドメイン (◯◯.com)/public_html/joomla | http://ドメイン名.joomla/ |
メイン設定画面では、以下を入力します。サイトの説明は必須ではありません。
- 1サイト名
- 2(サイトの説明)
- 3Eメール
- 4ユーザー名
- 5パスワード
- 6パスワード再入力
- 7サイトオフライン
入力が完了したら「次へ」をクリックします。そのあとのデータベース設定では以下を入力しましょう。
- 1データベース種類
- 2ホスト名
- 3ユーザー名
- 4パスワード
- 5データベース名
- 6テーブルプレフィックス
入力事項については、データベースを利用しているサーバーサービスにて確認しましょう。エックスサーバーの場合は、以下のページ(MySQL設定)で確認できます。
入力を完了し「次へ」をクリックすると、以下のような画面が出てきます。
「エラー」にて
「このウェブサイトの所有者であることを確認するには、『installation』フォルダ内に作成された『_joomla0FnZbk3azBmVaNBLjMKxT.txt』という名前のファイルを削除してください。」
の表示が出てきます。続けて、FTPツールで該当のファイルを削除しましょう。
そのあと「次へ」を押すことで「最終確認」のページになりますが、ページ下部の「MB Language is Default 」で引っかかる場合があります。
その際は「.htaccess」ファイル内に「php_value mbstring.language neutral」の記述を追加しましょう。
以下の画像はその一連の流れになります。
これにて、インストールが完了できました。
テンプレートを変更する
デフォルトのテンプレートから、Webサイトのテンプレートの変更方法を解説します。
デフォルトのテンプレートから切り替える
- 1管理画面上部のショートカットメニューから「エクステンション」をクリック
- 2「テンプレート」をクリック
- 3「スタイル」をクリック
- 4設定したいスタイルを「デフォルト」の項で星マークをクリック
以上のように、簡単にテンプレートを変更することが可能です。
テンプレートをダウンロードする
テンプレートの変更はできましたが、デフォルトでは最小限のスタイルのみです。そのためテンプレートのダウンロード方法を説明します。
テンプレートが配布されている場所は複数あります。以下の参考サイトなどを参考にしてみてください。
参考:無料で使えるJoomlaテンプレート集まとめ|DesignWalker
しかし有料なものと無料なものとがありますので、十分注意してください。
また配布されているテンプレートも「著作物」ですので、よく利用範囲など確認しましょう。
英語で記載されているので難しくはありますが、翻訳ツールを使うなどして十分注意してください。
配布サイトからダウンロードしたら「解凍せずにそのままアップロード」します。具体的には以下の手順です。
- 1「エクステンション」をクリック
- 2「エクステンション管理」をクリック
- 3「参照」をクリックもしくはドラッグ&ドロップにてアップロード&インストール
以上でテンプレートをダウンロードしてインストールが完了しました。
テンプレートを編集する
テンプレートを編集することもできます。しかし実際には以下の知識が必要です。ここでは、簡単に紹介します。
- PHP
- HTML
- CSS
テンプレートの編集手順は以下です。
- 1「エクステンション」をクリック
- 2「テンプレート」をクリック
- 3さらに「テンプレート」をクリック
- 4テンプレートの詳細をクリック
- 5画面左側にある「index.php」をクリック
- 6phpファイルからそのままデザインを編集して保存
モジュールを活用する
Joomla!のモジュールとは
モジュールとは、コンテンツの周りに置かれる「最新の記事」「人気のタグ」「ログインフォーム」などの構成パーツのことです。
Joomla!で使用できるモジュールは以下のような種類があります。 (その他多数あり)
- RSS/Atomフィード
- Webリンク
- オンラインユーザー表示
- カスタムHTML
- カテゴリー一覧
- ログイン
- 最も読まれた記事
モジュールの配置を変更する
まず現在配置されているモジュールを確認するには以下の手順を行います。
- 1「エクステンション」をクリック
- 2「モジュール」をクリック
モジュールの一覧が表示されました。
それぞれのモジュール名を変更するには、タイトルの項にあるモジュール名をクリックしましょう。
モジュールの位置を変更するには、変更したいモジュール名をクリックし「表示位置」から位置を変更します。
モジュールをインストールする
すでに登録されているモジュールでも機能としては十分ですが、新規にダウンロードしインストールも可能です。
モジュールのダウンロードは以下の参考サイトを利用します。
参考:Joomla! Extensions Directory™
上記サイトからモジュールをダウンロードしたら「圧縮ファイルのまま解凍せずに」アップロードします。
- 1「エクステンション」をクリック
- 2「エクステンション管理」をクリック
- 3「参照」をクリックもしくはドラッグ&ドロップにてアップロード&インストール
以上でモジュールのインストールが完了しました。
コンテンツ (記事)を作成して表示する
コンテンツ (記事)を作成する
コンテンツ (記事)の作成方法はとても簡単です。以下の手順で作成できます。
- 1「記事」をクリック
- 2また「記事」をクリック
- 3「記事の追加」をクリック
- 4エディタにコンテンツを作成・編集する
- 5保存する
エディタの使い方については、WordPressなど他のCMSと同等であるため、ここでの解説は省略します。
記事を表示する
Joomla!では、記事を作成しただけではWebサイト上に表示されません。表示するためには少し手間のかかる作業が必要です。
以下画像に、極力理解していただけるよう、手順をまとめましたのでご確認ください。
まずは記事の「カテゴリ」を作成します。
次にそのカテゴリに作成した記事を保存しましょう。
記事の保存ができたら「リンク集」の機能をもつ「メニュー」を作成します。
メニューが作成できたら、メニューの中に、実際のリンクになる「メニューアイテム」を作成しましょう。
メニューアイテムまで作成できたら「表示する構造」ができました。その後そのリンクとなる「メニュー」を実際に表示するために「モジュール」を作成し配置します。
以上が、記事の作成からメニューで構造 (リンク集)を作成し、実際に表示する手順です。
コンポーネントを活用する
コンポーネントは、Joomla!上で動作するアプリケーションのことです。Joomla!では以下のようなコンポーネントを使用できます。本記事では、コンタクトとWebリンクについて説明します。
- コンタクト
- Webリンク
- サイト内検索
- ニュースフィード
- バナー
- リダイレクト
これだけでなく、以下参考サイトより、コンポーネントをダウンロード&インストールできます。インストールの方法はモジュールと同じです。
参考:Joomla! Extensions Directory™
メールフォーム (コンタクトコンポーネント)を設置する
メールフォーム作成の考え方は以下となります。
- 1連絡先 (コンタクト)を保存するための連絡先カテゴリを作成
- 2連絡先を作成し、カテゴリ内に保存
- 3連絡先を表示するメニューの作成
- 4連絡先を表示するメニューに、メニューアイテムとして連絡先アイテムを選択
- 5連絡先を表示するメニューを表示させるモジュールの作成・配置
3〜5まではメニューとアイテムの手順なので省きます。以下が連絡先のカテゴリと連絡先の作成手順です。
リンク集 (ウェブリンクコンポーネント)を活用する
ウェブリンクコンポーネントではリンク集を作成できます。以下の手順で行っていきましょう。
- 1リンクを表示するメニューの作成
- 2リンクを表示するメニューに、メニューアイテムとして「URL」を選択
- 3リンクを表示するメニューを表示させるモジュールの作成・配置
コンタクトコンポーネントとは異なり、メニューアイテムで直接、URLとしてリンクを作成できます。
プラグインを活用する
Joomla!では便利なプラグインが豊富に提供されています。以降ではプラグインの活用方法を解説します。
また既述の通り以下サイトからプラグインをダウンロード可能です。
参考:Joomla! Extensions Directory™
プラグインを使って記事中にモジュールを埋め込む方法
本記事では「記事中にモジュールを埋め込むプラグイン」を紹介します。このプラグインは「ロードモジュールプラグイン」と呼ばれており、すでにJoomla!にインストールされているプラグインです。
ロードモジュールプラグインがなければ、記事中にモジュールを埋め込むことはできません。
たとえば記事中に、サイト内を検索できる「検索モジュール」を設置してみます。
- 1「検索モジュール」を作成
- 2記事作成中のエディタで「モジュール」をクリック
- 3モジュールを選択する
プラグインをアンインストールする方法
これまでモジュールやテンプレートのインストール方法を解説してきました。しかしそれらをアンインストールする方法は解説していませんでした。
アンインストールは次のように行います。
- 1「エクステンション」をクリック
- 2「管理」をクリック
- 3再度「管理」をクリック
- 4アンインストールしたいものにチェックを入れる
- 5「アンインストール」をクリック
- 6確認ダイアログにて「OK」をクリック
ユーザー・グループを設定・管理する
Webサイトの管理者が自分1人のみなら不要ですが、複数人で管理する場合もあります。その時にはJoomla!のユーザー・グループ機能が有効です。
管理ユーザーを作成する
管理ユーザーを作成・追加するには以下の手順で行います。
- 1「ユーザー」をクリック
- 2「管理」をクリック
- 3「ユーザーの追加」をクリック
- 4ユーザーの情報を入力し保存
グループを管理する
Webサイト管理におけるすべての権限を全員に付与する場合はあまりありません。記事の編集者は記事編集に関係する権限のみとしましょう。
グループを設定し、権限を管理するには、ユーザーの詳細画面にて「このユーザーの属するグループ」タブをクリックすることで編集できます。
Joomla! (ジュームラ)の特徴・メリット
Joomla!の特徴には以下が挙げられます。
- オープンソースプログラムのため無料で利用できる
- 会員制サイト・ポータルサイトなど大規模サイトの運営が可能
- テンプレート、エクステンション、プラグインなどが豊富
- レスポンシブデザインに標準で対応
- カスタマイズが幅広く柔軟に可能
国内で人気のあるWordPressと比較すると、大規模なサイト運営、独特なサポート機能の豊富さ、カスタマイズ性の良さが大きな特徴です。
もちろん日本語で運営もできますが、英語に強い方であれば、さらにJoomla!のメリットを活かしたWebサイト運営が可能になります。
Joomla! (ジュームラ)の使い方まとめ
Joomla!は、WordPressなどの比較的操作が容易なシステムに対しては「使いにくい」と感じる方も多いですが、特徴を理解することによってWebサイト運営の幅が広がります。
初見で「難しそう」「よくわからない」と諦める前に、ぜひ本記事で使い方を習得し、Joomla!をマスターするきっかけとなれば幸いに存じます。